アレルギー性鼻炎

アレルギーとは

人の体には、細菌やウイルスといった病原体が体内に侵入しようとする際に、それら異物（抗原）を排除するために抗体を作り出します。これを抗原抗体反応と言い、一般的に免疫反応（免疫）と言います。この抗体が作られることによって、次に同じ抗原が体内に侵入しても瞬く間に撃退されるようになります。

ただ、この抗体（免疫）が作られる過程、あるいは作られた抗体において何らかの異常が起きると、体に有害でない物質に過敏に反応する、自らの体を攻撃してしまうなど免疫システムに異常がみられることがあります。これがアレルギー反応です。アレルギー反応は、人によって様々ですが、喘息、結膜炎、鼻炎、湿疹といった症状が多くみられます。これらの症状に対して、診察・検査・治療を行っていきます。なお、アレルギー反応によりアナフィラキシーショックという命に関わる症状を起こすこともあるので注意が必要です。

このような症状はご相談ください（例）

主なアレルギー疾患

アレルギー性鼻炎によるレーザー治療について

当院では、アレルギー性鼻炎と診断されている患者様で、他の病気（副鼻腔炎や鼻中隔弯曲症）とは関係なく、ひどい鼻づまりの症状に悩まされている方、薬物療法では改善が難しいという方に対してレーザーによる治療も行っています。

これは鼻づまりの原因となっている下鼻甲介の粘膜をレーザーによって焼灼し、縮小させることで、同粘膜の腫れや過敏性を抑制していくという治療法になります。これによって、アレルギー性鼻炎の三大症状である「くしゃみ、鼻水、鼻づまり」が軽減されることが期待できます。

レーザー治療をするにあたっては、まず両方の鼻の中に局所麻酔をしていきます。レーザー治療にかかる時間は5～10分程度と短く、痛みや出血はほぼありません。なお、再発の可能性もありますが、それについては個人差があります。

術後3日目頃までは鼻炎の症状が一時悪化します。また、２週間～１ヵ月程度はかさぶたがみられますが、これらがとれるようになると鼻づまりなどの症状が改善されるようになります。なお、術後は経過観察が必要なので、何回か通院する必要があります。

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舌下免疫療法とは

アレルギーの根治が期待できる治療法です。
少量のアレルゲン（アレルギーを引き起こす原因物質）を含んだ錠剤を舌下に置いて、口に馴染ませてから飲み込むという方法で治療を行います。対象となるのは、スギ花粉、室内塵ダニのアレルギーで、前者の場合はシダキュア、後者の場合はミティキュアの舌下錠が処方されます。5歳以上で、保険適用となります。

いずれを投与するにしても3～5年の投与期間は必要で、効果の有無を判定するのにも1～2年かかることもあります。また根治に至らなかったとしても、症状の軽快は期待できます。ちなみにスギ花粉による舌下免疫療法の有効率は約80％と言われています。

服用方法ですが、1日1回、錠剤を舌下で1～2分間程度保持してから飲み込みます。また服用時の注意点として、服用後5分間は一切の飲食をしない、服用後2時間は激しい運動や入浴は避けるといったことを守る必要があります。

最初は、微量のアレルゲンを含む錠剤から服用し、ある程度慣れていくと一定量を含んだ錠剤を服用します。初めて服用する場合は、当院で服用し、重度な副作用が出ないかを30分間確認します。問題がなければ、ご自宅での服用となります。開始時期につきましては、スギ花粉の場合は、飛散時期を避けて行います。治療中は、定期的に通院していただき、現状を報告していただく必要があります。

舌下免疫治療を行えない方

以下の項目が該当するという方は、舌下免疫療法は行えません。

副作用について

アレルゲンを服用するので、副作用がいくつかみられることがあります。主な症状として口の中の浮腫やかゆみのほか、喉に不快感がみられることもあります。重大な副作用はアナフィラキシーです。服用後30分以内に、不整脈や頻脈といった循環器症状が出た、意識が朦朧とする、呼吸器症状（声がれ、ゼーゼーする、呼吸困難 など）がみられる、胃痛や吐き気といった消化器症状が持続するという場合は、ただちに当院へご連絡ください。